クレジットカードのブラックリストとは?載る6つの理由と抜け出す方法を現役社員が解説【社内ブラックの実態も】

増枠・与信の裏側

「ブラックリストに載った」という言葉を耳にすることは多いですが、実はこの「ブラックリスト」という書類やデータそのものは存在しません。存在するのは信用情報機関に記録される「異動情報」であり、この状態を世間では便宜的に「ブラックリスト」と呼んでいます。

本記事では、クレジットカード業界で15年以上働き、審査部での在籍経験もある筆者が、ブラックリストの正体、載ってしまう6つの理由、噂される「社内ブラック」の実態、そして状態から抜け出す方法まで、事実に基づいて解説します。

この記事でわかること

  • ブラックリストの正体と、信用情報機関の仕組み
  • ブラックリストに載ってしまう6つの具体的な理由
  • 「社内ブラック」の実態と該当するケース
  • ブラック状態から抜け出すための考え方

そもそもブラックリストとは?その正体を解説

結論として、「ブラックリスト」という名前の書類やデータは存在しません。カード会社や銀行が「この人をブラックにしよう」とリスト化しているわけではなく、判断材料となっているのは信用情報機関が保有するデータです。

日本には信用情報を扱う3つの機関があります。

  • CIC:主にクレジットカード・信販会社が加盟
  • JICC(日本信用情報機構):消費者金融や一部の信販会社が加盟
  • JBA(全国銀行個人信用情報センター):銀行やカードローンが加盟

これらの機関が申込者の支払い状況や契約情報を記録し、各社はそのデータをもとに審査を行っています。延滞を2ヶ月以上続けた、債務整理(任意整理・自己破産など)を行った、といった情報が登録されると、信用情報には「異動」という記載がなされます。

この「異動情報」がある状態こそが、一般的に「ブラックリストに載った」と呼ばれている状態です。つまりブラックリストとは信用情報の状態を指す言葉であり、紙のリストやファイルとして実在するわけではありません。

信用情報について詳しくはこちらの動画で解説しています

ブラックリストに載る6つの理由

ブラックリストに載る最大の理由は「支払いが滞る」ことですが、初心者や学生が気づかずにやってしまいがちな行為もあります。まずは全体像を一覧で確認しましょう。

理由 概要
①61日以上の延滞 カード会社によっては61日未満でもアウトになる場合あり
②短期延滞の繰り返し 数日程度でも繰り返すと「支払いにルーズ」と判断される
③携帯・奨学金の延滞 携帯本体の分割払いや奨学金も立派なローン
④債務整理・自己破産 「金融事故」として記録される
⑤強制解約・短期解約の繰り返し 規約違反や短期解約の乱発も要注意人物とみなされる
⑥短期間の多重申込(申込ブラック) 半年程度で何枚も申し込むと「お金に困っている」と疑われる

①61日以上の延滞
キャッシングやカードローンは61日以上の支払い遅延でブラック入りとされます。クレジットカードのショッピング利用も「返済」にあたるため、長期延滞は確実にNGです。カード会社によっては61日を待たず、1ヶ月程度やそれ未満の延滞でもアウトになる場合があります。1〜2日程度なら再引き落とし期間とされ問題にされないこともありますが、大前提は「引き落とし日までに入金」することです。

②延滞を何度も繰り返す
数日程度の延滞であっても、それを繰り返すのはブラック入りの理由になります。カード会社は「支払いにルーズ」「毎回資金繰りに困っている」要注意人物とみなします。何回までアウトになるかは会社によって異なります。

③携帯電話や奨学金支払いの延滞
携帯本体の分割払いも信用情報に記録されます。携帯料金の長期延滞を繰り返すこともクレジットカードと同様にブラック入りの原因となり、奨学金の支払い遅延も信用情報機関に記録されます。ローンや借金という意識が薄くなりがちですが、これらも立派なローンです。携帯は学生でも自分名義で購入できるため、引き落としやコンビニ支払いを忘れがちな点には注意が必要です。

④債務整理や自己破産を行った
任意整理、個人再生手続き、自己破産などは「金融事故」としてブラック入りの対象になります。自己破産を選んだかどうかも記録されます。軽度な債務整理にとどめればブラック掲載期間は5年程度で済みますが、自己破産の場合は7年となります。

⑤カードの強制解約・短期解約の繰り返し
支払い遅延や規約違反、虚偽登録情報の発覚による強制解約はブラック入りの対象です。また、悪気なくやりがちな「短期解約」の繰り返しも危険です。「入会キャンペーンのポイントやキャッシュバックだけ使ってすぐ解約」「不要なカードだったのですぐ解約」といったケースはよくありますが、何枚も短期解約すると要注意人物とされる場合があります。カード会社も審査・発行に時間や資金を使っており、特に年会費無料カードは使ってもらえないと収益が見込めません。短期解約の情報もCICで他社が閲覧でき、5年間残ります。本当に欲しいカードの審査で「すぐ解約されるだろう」と判断され、落とされる可能性が高くなります。一度に何枚も解約するのも危険で、「1ヶ月で5枚解約=返済に困っているのでは」と不審に思われることがあります。

⑥短期間に何枚もクレジットカードを申し込んだ
「いつ、どの会社に」申し込んだかという履歴もCICに残ります。短期間(おおむね半年程度)で何枚も申し込むのは「申込ブラック」と呼ばれ、ブラック入りの可能性があります。「お金に困っている」「現金化するつもりか」と疑われるためです。申込み履歴は半年程度CICに残るため、複数枚欲しい場合は半年程度間隔をあけて発行することが望ましいです。なお、記録で見えるのは「いつ」「どの会社」かのみで、カードのランクや国際ブランドまではわかりません。

社内ブラックは本当にある?その実態

結論として、「社内ブラック」という名の名簿も存在しません。ただし、「自社の過去取引履歴を内部で参照している」という事実は実際にあります。

以下のようなケースがあると、同じカード会社に再申込みしてもほぼ100%審査が通りません。

  • 自己破産・任意整理などでカード利用代金の残債支払いを免責され、強制解約になった
  • 度重なる延滞などで強制解約された
  • クレジットカードの現金化を行った
  • 不正利用や第三者への貸与があった
  • ハードクレームなどカード会社とトラブルを起こした

これらは「社内情報」として一定期間カード会社のデータベースに保管され、信用情報機関とは別にカード会社独自の「内部スコアリング」として活用されます。信用情報機関上はキレイな状態でも、過去にトラブルがあれば社内では「問題児」扱いとなるのです。

この社内情報は信用情報機関の情報よりも保管期間が長い傾向があり、10年以上保持するケースもあります。また、特に富裕層向けカードほど内部スコアリングが厳格になる傾向があります。「社内ブラック」は俗称ですが、実質的に存在する仕組みであり、審査への影響も大きいといえます。

ブラック状態から抜け出す方法

結論として、時間が経てば回復は可能です。

CICなど信用情報機関では、異動情報はおおむね5年で削除されます。延滞や債務整理をしても、5年経てば再チャレンジできる状態になります。ただし、社内情報は会社ごとに保管期間が異なり、10年以上保持するケースもあるため、再申込みの際は以前トラブルを起こした会社ではなく、別のカード会社から再スタートするのがコツです。

過去に延滞があっても、携帯料金や公共料金の支払いをきちんと続ける、家賃やローンの支払い実績を積み上げるといった「良い履歴」の積み上げによって、信用スコアは徐々に改善していきます。

また、最近はAIスコアリングを導入するカード会社も増えています。従来は条件を画一的に設定して足切りをしていましたが、過去の延滞者データを分析し、「安定した収入」「居住年数」「職業」「勤続年数」なども評価に加味されるようになってきました。信用は再構築できるものです。

よくある質問(FAQ)

Q1. ブラックリストという書類は本当に存在しないのですか?
はい、存在しません。カード会社や銀行が個別にリストを作成しているわけではなく、CIC・JICC・JBAといった信用情報機関に記録された「異動情報」がある状態を、一般的に「ブラックリストに載った」と呼んでいます。

Q2. 少額でも延滞するとすぐブラックになりますか?
1〜2日程度の延滞であれば再引き落とし期間として問題にされないこともありますが、大前提は引き落とし日までの入金です。61日以上の延滞や、短期延滞を繰り返すことは、ブラック入りの理由になります。

Q3. 社内ブラックと信用情報機関の異動情報はどう違いますか?
異動情報は信用情報機関に記録され、他社も参照できる情報です。一方、社内ブラックはカード会社が自社の過去取引履歴を独自に内部スコアリングとして保管しているもので、信用情報機関とは別の仕組みです。保管期間は社内情報の方が長く、10年以上のケースもあります。

Q4. ブラック状態から抜け出すにはどうすればいいですか?
信用情報機関の異動情報はおおむね5年(自己破産は7年)で削除されます。再申込みは以前トラブルを起こした会社ではなく別のカード会社から始め、携帯料金や公共料金、家賃などの支払いを継続して「良い履歴」を積み上げることが大切です。

まとめ

  • ブラックリストは実際のリストではなく、信用情報の状態を指す言葉
  • 社内ブラックもリストではなく、過去の内部データで判断されている仕組み
  • ブラック状態からは時間と信用実績の積み上げで抜け出せる

ブラック=一生の終わりではありません。信用は時間と実績によって回復できるものです。

動画でも解説しているので、合わせてご覧ください。
ブラックリストの真実!載る6つの理由と抜け出す方法を徹底解説!社内ブラックの実態も公開

著者:クレカ業界15年以上の中の人

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