クレジットカードを選ぶとき、多くの方が「Visa」「Mastercard」「JCB」といった名前を目にします。これらは「国際ブランド」と呼ばれるもので、世界中でクレジットカードを利用するための決済システムのネットワークです。結論から言うと、初めての1枚を選ぶならVisaかMastercardがおすすめです。世界中のほとんどの加盟店で使えるため、国内外問わず決済で困ることがありません。
私はクレジットカード業界で15年以上働いており、個人営業・法人営業・審査・WEBマーケティング・オーソリ業務など、カード発行に関するほぼすべての業務を経験してきました。この記事では、その経験をもとに国際ブランドの仕組みと7大ブランドそれぞれの特徴、選び方を解説します。
この記事でわかること
- 国際ブランドとカード会社(イシュア)の違い
- 7大国際ブランドそれぞれの特徴とシェア
- ブランドごとの加盟店の傾向
- 目的別におすすめの国際ブランド
国際ブランドとは?カード会社(イシュア)との違い
国際ブランドとは、世界でカードを利用するための決済システムのネットワークのことです。Visa・Mastercardなどがこれにあたり、各ブランドが独自の決済ネットワークを持ち、そのネットワークを使う権利(ライセンス)をカード会社に発行しています。
お店のレジ周りにある「アクセプタンスマーク」が貼られている店舗は、そのブランドの加盟店であり、該当ブランドのカードで決済ができます。ただし、マークが貼られていなくても決済できる店舗は存在します。これはマークの掲示があくまで「お願いベース」であるためです。
一方、カードブランドとはカードの発行元であるイシュア(カード会社)が持つブランドを指します。例えば三菱UFJニコスは「MUFG」「NICOS」「DC」といったカードブランドを保有しています。カードブランドは海外で使うための決済システムを自社で持っていないため、カード会社は国際ブランドと提携することで、そのカードを海外でも利用できるようにしているのです。
7大国際ブランドの基本情報【比較表】
従来は「5大国際ブランド」と呼ばれてきましたが、近年は中国の銀聯とアメリカ中心のDiscoverが加わり「7大国際ブランド」と呼ばれています。
決済額のシェアは、1位Visa(約50%)、2位Mastercard(約26%)、3位銀聯(約20%)、4位American Express(約3%)、5位JCB(約1%)、6位Diners Club(1%未満)、7位Discover(1%未満)という順位です。
| ブランド | 世界シェア(決済額) | 本社所在地 | 加盟店の多さ(筆者の経験則) |
|---|---|---|---|
| Visa | 1位(約50%) | アメリカ | 1位 |
| Mastercard | 2位(約26%) | アメリカ | 1位(ヨーロッパに強い) |
| 銀聯 | 3位(約20%) | 中国 | 2位(中国に強い) |
| American Express | 4位(約3%) | アメリカ | 3位 |
| JCB | 5位(約1%) | 日本 | 3位(日本に強い) |
| Diners Club | 6位(1%未満) | アメリカ | 3位 |
| Discover | 7位(1%未満) | アメリカ | 4位 |
VisaとMastercardが使える店舗はほぼ同じですが、経験則としてVisaはアメリカ、Mastercardはヨーロッパ圏に強い傾向があります。銀聯は中国の一部地域ではVisaより浸透しており、日本国内でも中国人観光客の増加に伴って加盟店が増えています。JCBは加盟店手数料が高いため海外の加盟店は少なめですが、国産ブランドである分国内加盟店は多く、ハワイや一部アジアなど日本人がよく訪れる国では加盟店が増加中です。アメックス・ダイナース・DiscoverはJCBと提携しており、日本国内ではJCB加盟店の約8割で利用できます。
VisaとMastercardの特徴
世界シェア1位・2位を占めるVisaとMastercardは、どちらも決済システムのみを提供し、自社ではカードを発行しません。
Visaはバンク・オブ・アメリカから誕生したブランドで、世界のクレジットカード売上の半分以上を占めています。国内の加盟店も非常に多く、海外旅行に行くならまず持っておきたいブランドです。多くのカード会社と提携しており、日本では三井住友VISAカードなどが代表例です。
Mastercardはシェア約26%で第2位。同じく決済システムのみを提供し、自社カードは発行していません。日本ではオリコカードやMUFGカードなど、多くの会社のカードから選ぶことができます。
どちらも1枚は持っておきたいブランドであり、初めてクレジットカードを作る方にはどちらかを選ぶことをおすすめします。
JCB・American Express・Diners Clubの特徴
JCBは日本生まれの唯一の国際ブランドで、世界シェアは約1%ながら、国内では売上・加盟店数No.1です。世界の加盟店数は3,000万以上にのぼり、海外にあまり行かない方に向いています。
American Expressはステータスの高さで知名度のあるブランドです。かつては「日本では使える店が少ない」という印象がありましたが、現在はJCBとの提携によりJCB加盟店の約8割で利用可能になっています。決済システムの提供に加え自社でもカードを発行しており、一般(グリーン)・ゴールド・プラチナ・ブラックといったランクを展開しています。
Diners Clubは世界シェア1%未満ながら高いステータスを誇るブランドです。もともと医師や弁護士など富裕層向けにサービスを行ってきた歴史があり、ショッピング利用枠に一律の上限を設けていません。かつては27歳以上でないと申し込めませんでした。審査は厳しく年会費も高額ですが、その分付帯サービスが充実しています。上位カードとしてダイナースクラブプレミアムカードがあり、さらにその上には国内999枚限定のブラックカードも存在します。JCBとの提携により国内でも使いやすくなっています。運営元は2008年にディスカバー傘下となり、2024年には米キャピタル・ワン・ファイナンシャル傘下となりました。
銀聯とDiscoverの特徴
銀聯は中国生まれの国際ブランドで、中国の経済発展に伴い利用者が急増し、決済額は世界3位まで拡大しました。日本国内でも、中国人観光客が訪れる店舗では銀聯マークが見られるようになっています。海外では「UnionPay」の名義で展開されており、中国によく行く方におすすめです。セキュリティ面では6桁の暗証番号設定に加えサインも必須となっています。日本では三井住友・三菱UFJニコス・ANAが銀聯カードを発行しています。
Discoverはアメリカ発のブランドで、世界シェアは1%未満。7大ブランドの中では最後発で、2005年に国際ブランド化されました。利用エリアはアメリカ・カナダが中心で、世界の会員数は5,000万人以上とされています。日本ではDiscoverブランドのカード自体は発行されていませんが、JCB・銀聯と提携しているため、両ブランドの加盟店で利用が可能です。運営元は2024年にキャピタル・ワン・ファイナンシャルの傘下となりました。
おすすめの国際ブランドはどれ?
目的によっておすすめのブランドは異なります。
- 初めてクレジットカードを作る方:VisaかMastercard。国内外の決済で困ることがなく、多くのカード会社が発行しているため作りやすいのが特徴です。
- ステータスやサービスを重視する方:アメックスかダイナース。トラベル・グルメ・エンターテインメント分野のサービスに力を入れています。
- 国内利用が中心で日本が好きな方:JCB。海外では不便な場面もありますが、国産ブランドとしてセキュリティ・安全性への安心感があります。
よくある質問(FAQ)
Q1. 国際ブランドとカード会社の違いは何ですか?
国際ブランドは世界で決済するためのネットワーク(Visaなど)で、カード会社(イシュア)はそのカードを発行する会社です。カード会社は自社のカードブランドだけでは海外決済ができないため、国際ブランドと提携しています。
Q2. 初めての1枚はどのブランドがいいですか?
VisaかMastercardがおすすめです。国内外の加盟店数が多く、決済で困る場面が少ないためです。
Q3. アメックスは日本で使える店が少ないですか?
かつてはそうしたイメージがありましたが、現在はJCBとの提携によりJCB加盟店の約8割で利用できるようになっています。
Q4. 同じ国際ブランドを複数枚持つ意味はありますか?
カード会社ごとにサービスやポイント還元率が異なるため、同じブランドでも複数のカード会社のカードを使い分けるメリットはあります。
まとめ
国際ブランドはクレジットカードを世界で使うための決済ネットワークであり、初めての1枚ならVisaかMastercardが安心です。ただし実際にカードを選ぶ際には、国際ブランドだけでなく、カード会社・カードのランク・付帯サービス・ポイント還元率なども合わせて確認する必要があります。
動画でも解説しているので、合わせてご覧ください。
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著者:クレカ業界15年以上の中の人(審査部在籍経験あり)

